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熱処理とは

01イオン窒化処理

イオン窒化処理とは?

窒素イオンが持つエネルギーを利用する技術で、同時に窒化も行う表面処理法です。
同時に窒化処理をするため、後加工が不要になるメリットがあります。
また、処理温度は300度や400度といった他の熱処理よりも低温であるため、ゆがみの少ない処理が可能です。
用途や条件に合わせてさまざまな金属、合金の熱処理ができること、窒化層のコントロールが可能であることなど、自由度が高いことも特長のひとつです。
自由度の高さゆえにとてもクリエイティブで、熱処理の魅力を反映しやすい技術といえるでしょう。

イオン窒化処理のすごさ

その1
耐摩耗性・耐疲労性の向上

アルミニウムやクロムを約1%含有する鋼をアンモニアガス中で加熱すると、アンモニアが分解して、窒素原子が鋼の結晶中に侵入し、窒化物を形成します。このとき、鋼の結晶内に大きなひずみが生じて著しく硬くなります。
この現象を利用して、鋼材の表面層を硬化する処理が窒化処理です。

イオン窒化処理のすごさ

その2
低温処理でゆがみが少ない
(温度350℃~590℃)

イオン窒化処理は、熱処理の中でもかなり低い温度である400℃以下で処理ができます。
そのため、他の熱処理と比べて手間はかかるのですが、変形が少ないことが得られる最大のメリットです。

イオン窒化処理のすごさ

その3
ステンレス鋼も容易に窒化できる

通常のステンレス鋼への窒化処理は耐摩耗性が向上する反面、防錆性が劣るという問題があります。
イオン窒化処理はステンレスにも処理を施すことができ、耐摩耗性と耐食性、防錆性を実現することができます。

イオン窒化処理のすごさ

その4
処理後も表面が清浄に仕上がるので後工程の必要がない

イオン窒化処理の特長のひとつに、処理後の表面の清浄性が挙げられます。
処理後の平滑で清浄な表面状態により、研磨などの後加工を必要としないので、作業時間・工程の短縮化ができ、非常に効率的です。

イオン窒化処理のすごさ

その5
耐食性の向上(鋼種による)

イオン窒化処理は、鉄の窒化物による化合物層が生成され、耐食性(さびにくい)を向上させることが分かっています。

イオン窒化処理のすごさ

その6
窒化ムラが少なく、
窒化防止も容易にできる

熱処理加工の中でも、変形しにくいと言われるガス軟窒化処理ですが、処理の際の並べ方などで、窒化ムラができる場合があります。
イオン窒化処理は、表面から窒素を拡散浸透させるので、ムラができにくいのです。

イオン窒化処理のすごさ

その7
チタンにも窒化できる

毒性がなく熱に強いチタンは、調理器具などでも使われています。また、耐食性が高いことから、アクセサリーなどにも用いられる優れた金属です。
チタンは400℃以上の温度で加熱すると、酸素や窒素と容易に反応して表面に酸化物や窒化物を生じます。
低温で熱処理を行うイオン窒化処理は、このチタンにも窒化処理が施せます。

このようにイオン窒化処理は、優れた窒化処理です。
加えて、電気の力による窒化処理なので、クリーンでエコなのです。
八田工業は、このイオン窒化処理を得意としており、これからもこの処理方法の魅力を伝えていきたいと考えております。

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